染織を知る 室町京正のたどる染織の歴史。ものづくりの背景となる日本の風俗を色濃く反映してきた時代毎の染や織。そのひとつひとつからの研鑽の積み重ねが、わたしどもの日々の創作につながり、また新たな染織史を紡いでゆくのです。

茶屋辻帷子 江戸時代後期に流行した茶屋染藍濃淡を基本としたもので、主に帷子に染められている。
寛文小袖裂 江戸時代前期、寛文年間(1661-73)かぶきもの達が気取った、大胆かつ奇抜なデザインが生み出したものである。公家と町衆が培った寛永文化の名残のなかで、後の町人たちに受け入れられたものである。
友禅染の掛け軸 宮崎友禅斎作(1654-1738)一枚の布からできていて、ようじ糊の技法により染め上げられている。表装部分の文様もすべて染により表現されている。
慶長小袖裂 慶長年間(1580-90年代)柄を形で区切り、文様をかなり細密に配置する。金の摺箔などもふんだんに使われ豪放、多彩、細密といったものである。
桃山繍箔裂 桃山時代(1580-90)染織には極めて重要で黄金の時代ともいわれる。服飾にも明るく華やかな傾向があらわれ、これらが時代を反映したモードとして定着する。
辻が花染裂 室町時代から桃山時代末期にかけて、小袖に施した絞染の一つ。縫締による絞染で、空白に墨線・朱線で描絵したもの。